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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2022年8月28日(日)に第583回月例会(いの町本川林道寒風大座礼西線)が17名の参加で行われました。

 幸い良い天気に恵まれ、9時までに集合場所のいの町柳瀬の「水辺の駅あいの里」に14名の参加者が集合した。コロナ激増下での観察会のため、大事をとり、原則乗り合わせをせず、めいめいの車での参加であった。9時過ぎに8台の車で出発した。国道194号線を走り、10時半頃、旧寒風山トンネルの少し手前の林道寒風大座礼西線に入り、そこを少し入った臨時駐車場に車を置いた。ここで、愛媛県から来られた参加者も合流し、総勢17名となり、車も11台となった。早速、車を降り、林道沿いを東に向けて観察しながら歩いた。コハウチワカエデ、クマシデ、アワブキ、ミズメなどがあり、ノリウツギの花が点々と咲いていた。まだ熟してないけれどサルナシの果実もあった。道路法面に植えられたものかイタチハギがやたらにあったし、イワヨモギと思われる帰化植物もあって珍しく思った。しばらく行くと、イヌザクラが赤く熟れた美しい果実をたくさんつけていたり、果実をつけたオオバアサガラもあった。純白の花を咲かせたツルリンドウがあり、これもありかと珍しく思った。やがて12時頃となり、林道の木陰で昼食をとった。標高が高いので、気温は23度くらい、空気は爽やかで、下界の猛暑を思い、ここにいる幸せを感じた。食後は、車に戻り、さらに林道を東に進んだ。そして「ながまたばし」と記名された橋の周辺を観察した。そばには、清冽な滝が勢いよく流れ落ちていて、頭上には見事な樹形のトチノキの巨木が茂っていた。オオマルバノテンニンソウの花が美しき咲き、ミヤマノダケの赤黒い花もあり珍しかった。タニタデのかわいい果実も見かけた。ススキの穂も出ていて、もはや初秋の風情であった。ここでの観察も、2時半頃となり、まだ先が長いので、再び乗車し、林道をさらに東に進んだ。道幅は広く危険な道ではなかったが、路面は舗装されておらず、タイヤの切れそうなガラガラの石ころだらけの悪路で、車泣かせ、運転手泣かせの厳しい道が続いた。林道沿いにはヤマハギの花がよく咲いていた。あまりの悪路で、ちょっと疲れたため、途中で少し休んだりしたが、時間的なこともあり、さらに東に懸命に進み、平家平登山口のところまできた。ここを、少し登った沢に、ハルニレがあり、それを見に行こうとした。けれど、もはや時刻も遅くなっていたし、悪路で疲れたこともあり、約半数の参加者はハルニレ観察には参加せず、登山口のところで一足先に帰路に就いた。残りの者はハルニレを目指して登り、ハルニレやその他の植物を観察し、4時半頃無事散会した。
 今回の観察会は、悪路が長く、各自運転でもあったので、参加者の皆さんはたいへんお疲れになったことと思います。本日の担当として、長距離の悪路を挟んだ広範囲の観察地を選んだことは少し配慮が足りなかったと反省しております。この反省を今後に生かしていきたいと思います。〔宇田英一〕
イワヨモギ
イワヨモギ
オオマルバノテンニンソウ
オオマルバノテンニンソウ
トダイアカバナ
トダイアカバナ
ハルニレの木
ハルニレの木
ハルニレの葉
ハルニレの葉
ミヤマコウモリソウ(モミジタマブキ)
ミヤマコウモリソウ(モミジタマブキ)
ヤマクルマバナ
ヤマクルマバナ