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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2022年4月17日(日)に第579回月例会(北川村菅ノ上~竹屋敷)が18名の参加で行われました。

 素晴らしい好天に恵まれ、18名の者が、九時過ぎに田野町二十三士公園に集まった。そして9時20分頃、10台の車で出発した。阿南安芸自動車道を経て、国道493号線を通り、安倉から村道竹屋敷線に入り、菅ノ上を経て竹屋敷に向かった。道はほぼ平坦で、路面状態もさほど悪くはなかったが、竹屋敷の少し手前で、直近の道路崩落で修理工事が行われていた。仕方なく、車は道路に縦列で置き、山斜面に臨時に作られた迂回の藪道を歩き、竹屋敷の部落に入った。一週間前の下見では、咲いてなかったウンゼンツツジが、道路沿いの斜面に点々と咲いていた。しかもシロウンゼンもたくさん咲いていた。わずか一週間で劇的に進んだ季節の変化に驚いた。フジツツジも見事で、竹屋敷林道ではヒカゲツツジも咲いていた。純白のタチツボスミレ、つぼみの膨らみかけたフデリンドウ、アオフタバランや花をつけたカヤランなど数種のラン科植物、興味深いシダ植物もあった。ヒメクロモジの花も観察できたし、多分県内初のウラジロフサザクラ(藤田淳一氏同定)も見ることができた。また、竹屋敷集落の人家付近の道路わきの藪の中にはヒメウコギが若葉を茂らせ大きな群落を作っていた。昔薬用にされた植物なので栽培されていたものの逸出であろうか?
 美しい渓谷沿いの林道はゆっくり観察していくと実に多くの種類の草本・木本があり、ほとんどが植林された山々に変わってしまった竹屋敷ではあるが、地形的にも気候的にも自然環境のよさが感じられる魅力的な貴重なエリアであるとしみじみ思った。また、勉強しあいながら大勢の目で細かく観察していくことの重要さも実感した。竹屋敷林道は、奥へ奥へと長く、どこまでも歩きたい魅力があったが、時間的制約もあり、途中で引き返したのは心残りであった。
 3時過ぎに、竹屋敷から帰路に就いたが、ナンゴクウラシマソウ(?)やトゲミツクシネコノメ、おいしそうに(?)丸々と太った巨大なナチシダの芽立ちなどを車を止めながら観察でき、帰り道も楽しく充実した観察会となった。そして、朝の集合場所に帰り、4時20分頃散会した。〔宇田英一〕
ウンゼンツツジ
ウンゼンツツジ
シロウンゼン
シロウンゼン
シロバナタチツボスミレ
シロバナタチツボスミレ
ヒメクロモジ
ヒメクロモジ
ホオノカワシダ
ホオノカワシダ
メギ白花
メギ白花