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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2018年10月20日(土)に第537回月例会(北川村西谷~馬路村朝日出)が行われました。

 当初10月14日(日)の予定でしたが,四国植物研究会と重なったので,翌週21日(日曜日)に予定変更。さらに都合により20日(土曜)に再度変更したにも拘わらず,高知からの参加者11名に加え,香川からの参加もあり合計13名が琴ヶ浜に集合しました。
 55号線を田野町から安田~東洋線に入り,西谷口から西谷川に沿って登って行くと,入口に小さな星神社が在り,下見では立ち寄らなかったので,そこから観察をスタートしました。
 急傾斜の石段を上り,社殿周辺はスギ植林ですが,南側と北側には谷がありその周辺はコジイ,アラカシ主体の二次林で,タイミンタチバナ,ヤブニッケイ,シャシャンボ,ミミズバイ,クチナシ,ヤマビワ,モチツツジ,シロバイなど一通りの植物が見られました。林床にはマルバベニシダ,キジノオシダ,オオバヌスビトハギ,ササクサ,シュンラン,ヤブコウジなどが生え,谷沿いにはヘラシダ,クリハラン,ミゾシダ,マツザカシダ,イノデモドキ,オオハナワラビなどのシダ類やツクバネガシ,カナメモチ,ナギ,アオガシなどが見られました。其処にはルリミノキとサツマルリミノキが混生して丁度実を付けていてお互いの葉や実の付き具合を並べて観察出来,違いが良く解り良い勉強になりました。他にミサオノキなどがありました。この辺りはユズの産地で,ずっとユズ畑が奥まで続いていて,これからが収穫時期でした。
 今回のメインは朝日出山の大杉をみることです。そこに行き着く前に林道沿いで参加者を出迎えてくれたのは,シカの食害を受けないシモバシラ,マツカゼソウ,アケボノソウ等がとても可愛く咲いていました。
 途中林道沿いの広い所で昼食を取る事に。そこはスギの植林で,林内にハイノキがたくさん有り,下村さんがツチトリモチを発見!その後はみんなで探し数株有ることが分かり,さらにコウタケも見つかり大いに盛り上がりました。周囲にはナギナタコウジュの花が見頃で,ほかにレモンエゴマ,シロダモの花と実,シュウブンソウ,キガンピの花,ツルシキミの見事な株に実がたくさん着いていました。少し先に行くと,朝日出山大杉の登山口の看板。そこから350mと表示があり,気合を入れて出発。案内板には,馬路村の指定天然記念物,樹齢800年,樹高34m,胸高周囲10mと書いてありました。周囲はほとんど植林でしたが,尾根道に少しアカガシ主体の天然林が残されており,ウラジロガシ,ツクバネガシ,ヒメシャラ,コハウチワカエデ,コシアブラ,ユズリハ,ネジキ,リョウブ,イヌツゲ,クロモジ,シキミ,アオハダなどが見られ,林床にオトギリソウ,ウンゼンツツジ,ヒカゲノカズラ,ハリガネワラビ,コバノイシカグマ,ヒメミヤマスミレなどが点在していました。息を切らしてやっと到着すると目の前に杉の巨木。堂々とした巨木の貫禄に圧倒され見上げると,大きな枝を四方に広げ更に迫力満点。感動の対面でした。周辺には沢山の大きな切り株が点在していて、株の上にはコシアブラの幼木やヒメカンアオイが大株に育っていて花も付けていて,その姿にも感動しました。
 帰りには朝日出谷の方へ降りてゆき,途中マタタビの実だと思っていたのが採取してみてサルナシの実と判明,口の中に入れた皆さんの顔がほころんでいました。とても甘くて美味しかったです。動物よりお先に頂いきました。途中外来植物がこんな所に?,オギススキやヨモギ属一種が在りました。今回の場所は参加者全員が初めての場所で,とても新鮮な場所でした。
 参加者の皆様お疲れさまでした。〔佐々木康子・鴻上泰〕
サツマルリミノキ
サツマルリミノキ
朝日出の大杉
朝日出の大杉
ツチトリモチ
ツチトリモチ
ツルシキミ
ツルシキミ
キガンピ
キガンピ
ナギナタコウジュ
ナギナタコウジュ
サンカクヅルを採集
サンカクヅルを採集