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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2016年9月11日(日)に第512回月例会(香美市物部神池とその周辺)が行われました。

カカシと一緒に昼食
カカシと一緒に昼食
 8月は少雨で干ばつぎみだったが、9月に入ると一転して集中豪雨の日もあり、移り変わる天気に心配させられたが、参加者の行いが良いのだろうか、当日は雨の気配が少ない好天気となった。9時の集合時間に鏡野公園に集まったメンバーは20人、6台の車に分かれて、最初の目的地となる物部町神池に向かって出発した。
 10:00に神池に到着。沢山の住人(?)のカカシの出迎えに驚いた方もあったのではないだろうか。神池には、集落の中にアカメヤナギの巨木がある男池(おいけ)と、湿地の状態の女池(めいけ)という2つの池があるが、今回の月例会では女池周辺を散策していただいた。
池の外周は、遊歩道として整備された経緯があり、地元の方々が草刈りや植栽したアジサイの世話をしているため、比較的歩きやすい。キツネノゴマやオトギリソウ、サケバヒヨドリの花を観察した。ススキやヒガンバナも咲いており、秋の始まりを感じることができた。
女池の大半は大人の背丈より高いフトイが繁茂している。干ばつの影響でほとんど水は溜まっていなかった。フトイの株本にはミズユキノシタが多数生育しており。良く見ると薄緑色の小花を咲かせている。淡いピンクのサクラタデやコシロネの白い花も観察することができた。
池と植林の境には、シカ除けだろうか、ネットが張られていた。この地も食害には苦労しているのだろう。食害といえば、アカマツの葉を食い荒らす黄色い芋虫の集団を見つけた。後で調べてみると、マツノクロホシハバチというマツの木を枯らしてしまうことさえある害虫らしい。
ヒナノキンチャクを撮影中
ヒナノキンチャクを撮影中
 外周を観察後、女池のそばに建つ大日寺の奥の院に。ここにある杉の巨木は県指定の天然記念物となっている。カゴノキの巨木もあり見ごたえのある木々だった。参道脇にはウマノスズクサが生えており、花は咲いていなかったが、代わりにジャコウアゲハの幼虫が隠れていた。またサカキにはヒノキバヤドリギが寄生していた。
 12:20、女池のほとりに建つ東屋周辺で少し早い昼食を取った後、次の目的地へ移動。目的は神池とは上韮生川を挟んで対岸に自生するシダ植物だ。観察地はすぐそばに複数の車が駐車できるスペースもあり観察しやすかった。
 13:20、立花から県道から分岐した林道を進み、石灰岩の露頭地へ。ここでは、石灰岩地の植物を観察した。ただ、当番の者としては、事故が非常に心配である。案内したものの、石灰岩の崩落地なので足場も悪く、落石の心配がある場所なので、内心、ヒヤヒヤしどおしだった。事故もなく見ることができたが、夢中になると周りが見えなくなるのは、当研究会員の悪い癖であるので、各自注意していただきたい。
 40分程度観察した後、今度は1時間半かけて香北町河野へ移動。本日の最後としてスギ林床の植物を観察した。ここで徳島組と別れ、帰路に。鏡野公園に到着したのは、16:30頃であった。
 今回は、観察場所が離れており移動時間が長かったため、運転手の方々は大変だったと思います。皆さま、ご苦労様でした。(文 福原、写真 鴻上・福原)
神池(女池)
神池(女池)
サクラタデ
サクラタデ
大日寺の大杉
大日寺の大杉
マツノクロホシハバチ
マツノクロホシハバチ