menu

The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2016年5月27日(金)~28日(土)に第30回特別例会(和歌山県紀の川市龍門山,田辺市百間渓谷周辺)が行われました。新規 ~

 特別例会(県外への観察会)は暗黙の了解?でいつも担当しています。第30回の今回はキイシモツケやカキノハグサの花期を選んで紀州での観察会となりました。天候は数日前までの予報では雨マークでしたが,晴れ(過ぎ?)女と晴れ男?のパワーで2日間とも晴れに変わり,少々暑いながらまあまあ快適にフィールドを歩くことができました。目的の花以外は花期がずれていてあまり多くはなかったのですが,龍門山や百間山周辺では四国に分布していない植物やササユリなど普通に観られたのは良かったと思います。観察会の詳細は参加者の方がたくさん書かれていますので私の方からは省略させていただきます。    私達の為にわざわざ京都から駆けつけていただき,龍門山への案内やキイシモツケとトサシモツケについての興味深い研究内容を解りやすく講義していただいた泉井桂先生と,丸1日おつき合いいただいた上に白浜でのレクチャーまで随分お世話になりました内藤麻子氏には感謝,感謝です。(細川公子)
竜門山へ
竜門山へ
 第30回特別例会
 5月27日、県立美術館を6時前に出発して途中上板SAで徳島の会員さんを乗せたマイクロバスは竜門山へ向かいました。和歌山のコメリパワーで泉井先生と合流して竜門山登山口へ着くまでの間、資料に基づき和歌山県固有植物で竜門山の山頂付近に自生するキイシモツケの蛇紋岩土壌への適応と分子系統学によるイワシモツケおよびトサシモツケとの比較について教えていただきました。竜門山は紀州富士といわれるだけあって急な坂道を登っていくと林床にはヒメカンアオイやササユリ、ツルアリドオシの薄桃色の花もありました。ここでの目的はなんといってもキイシモツケとカキノハグサ。カキノハグサは木質の根茎を地上部に出して盆栽風に仕立てているのは見たことがあるが自生のカキノハグサを見るのは初めてで、その美しさに何枚も写真を撮りました。パラグライダーのテイクオフのある紀ノ川が見渡せる広場で昼食後山頂を目指し、山頂ではキイシモツケに囲まれて集合写真を写した後下山しました。
 白浜の旅館しららでは夕食後和歌山県立自然博物館の内藤麻子さんから画像などを使って和歌山県の植生などについて説明していただきました。
 28日は滝と淵が美しい田辺市の百間山渓谷へ出かけました。植物観察をしながら「難渋の壺」まで行って、ここで昼食を済ませて折り返しました。ツツジ科の植物で岩から垂れ下がるように白いつぼ状の花をつけるイワナンテンの群落を見ることができました。ここではナツエビネ、ベニシュスラン、トンボソウ、クモキリソウ、ヒトツボクロなどのラン科の植物やキイジョウロウホトトギス、タキミシダなどの貴重なシダもありました。タキミシダは人目につきやすいところにあったので盗掘を防ぐために杉の枯れ枝で隠してきました。
 今回の特別例会ではこちらでは見ることの出来ないような沢山の植物を観察でき、2日間で290枚もの写真を撮って帰ってきました。(山岡重隆)
竜門山カキノハグサ
竜門山カキノハグサ
竜門山山頂のキイシモツケ
竜門山山頂のキイシモツケ
百閒山渓谷へ
百閒山渓谷へ
百閒山渓谷
百閒山渓谷
百閒山渓谷
百閒山渓谷
百閒山渓谷のバイカオウレン
百閒山渓谷のバイカオウレン