menu

The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2016年3月13日(日)に第506回月例会(いの町伊野加茂山)が行われました。

 9時にいの町枝川の「レストパークいの」駐車場に集合し、6台の車に分乗して出発し、内野団地の公園駐車場に駐車して、観察を始めた。道ぶちにカキドオシ、サギゴケ、コハコベ、カテンソウなどの花が一斉に咲きだしている。サカワサイシンの葉が目立つが、まだつぼみは小さい。県道のり面にオオイタチシダやフモトシダなど常緑性のシダ類が目立ち、ウバユリやホタルブクロ、ノダケなども葉をひろげはじめている。一角に数個体のウラボシノコギリシダの一群が見られる。加茂山の登山口の岩場にはカタヒバやヒトツバがたくさん着いており、洞くつの中にヌカイタチシダモドキやイワガネゼンマイが生えている。登山口には杖が置いてある。登山口から結構な傾斜で、セメントで固めてある。山側は植林で、右側の谷川の岩場にはヘラシダなどがよく繁茂している。谷を渡ると、上層の林にはヤブツバキの花が多く、アオキの果実もよく目立つ。南向きの明るい道ばた斜面にはナガバタチツボスミレ、ミツバツチグリ、キランソウ、ハナイバナ、アオヒエスゲなどの花が咲き、キブシも咲きだしている。この斜面にもオオイタチシダが多く、ヒメイタチシダ、フモトシダ、ベニシダ、マルバベニシダなども多い。ログハウスとの分かれ道付近から折り返すと赤土の道で、シハイスミレなどが咲いている。植栽のシキミに花が咲き、サツキにも季節外れの花が咲いている。
 第2展望所に10時40分に到着。眼下に仁淀川の下流域が広がり、天王の団地や、日高村方面の集落も望める。公園として草刈りなどの手入れがしてあるのでとても気持ちが良い。ソメイヨシノはまだだが、植栽のトサミズキは満開、スズメノヤリの花や、いじけたフユノハナワラビやネジバナのロゼットが点々と生えている。刈り取られた草原にはすでにワラビが出ていた。小休止の後、山小屋を経て第1展望所に向かう。イチヤクソウの群落があったり、まだ瑠璃色の実が残るノシランなども見られた。
 11時30分頃に第1展望所に着き昼食。以前は南側の樹木が大きくて、あまり展望が良くなかったのだが、樹木をかなり伐採して大きく展望が開けていた。261mの三角点はトイレの裏手にあった。西には大黒様や谷、西地などへの道があるが、本日は元へ戻ることにした。山頂付近の草地にはアカネスミレやニオイタチツボスミレが咲き、フジツツジやジロボウエンゴサクも咲いていた。オタマジャクシがうようよ泳ぐビオトープの池を巡ってログハウスに寄ると、ちょうど持ち主の方がバギーで上がってこられたところで、お土産にツバキの枝を輪切りにした根付をいただいた。手造りのログハウスを後に、元来た道を戻り、1時に駐車場に着いた。
 そこから伊野の町中を抜けて国道194号線の神谷から小野川を遡って、1時35分頃、小野(この)の蛇紋岩地へ着き、集落をぐるりと巡った。ドウダンツツジの群落があるのだが、花はまだ先、シハイスミレやアオミヤマカンスゲ、ミツバツチグリ、アセビに花が咲き、オトギリソウやシライトソウが芽吹きだしていた。1時間ほど観察して2時30分に小野を出て3時過ぎにレストパークいので解散した。(文・写真:鴻上)
ウラボシノコギリシダ
ウラボシノコギリシダ
ナガバタチツボスミレ
ナガバタチツボスミレ
ノシラン果実
ノシラン果実
加茂山山頂で昼食
加茂山山頂で昼食
ジロボウエンゴサク
ジロボウエンゴサク
セントウソウ
セントウソウ
ログハウスにて
ログハウスにて
小野の蛇紋岩地
小野の蛇紋岩地