menu

The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2015年7月5日に第28回特別例会(高知市長浜・高知市春野町仁ノ)が行われました。

 当日朝は雨が降っていたが,午後に向かって雨はやむという予報だったため調査を行った.花海道の駐車場に9時に集合,13名で調査を開始した.少し遅れて佐々木さん夫妻が参加.駐車場からは2班に分かれ,浦戸大橋から下ってくるカーブまでと,愛宕病院まで,左右に分かれて調査を行うことにした.
 スナジマメの花期は標本調査から6月から8月(9月)で,本時期は開花していれば容易に確認することができる.参加者のうちには自生の個体を見たことがない人もいたため,植物体,花,果実の写真と特徴を載せた資料を配った.花海道の陸側の海岸林の中には墓が点在しており,1個1個注意して探した.墓になっていない箇所はトベラやクロマツ,マサキ,シャリンバイなどが優先する低木林となっており,林の中は暗くゴミがたくさん捨てられていた.1時間半かけて堤防外の砂浜も踏査したがスナジマメは見つからなかった.
 10時半に再度駐車場に集合し,仁ノに移動した.仁ノでは文庫の鼻のトンネルを抜けた先にある広い空き地に車を止め,集落を抜けて墓場を全員で踏査し,探した.最も最近の確認例である2004年に標本が採集された場所もみたが,それらしき植物は見つからなかった.その他過去に確認され,持ち主にも保護をお願いしていた墓場でも確認できず,堤防外側も踏査したが見つからなかった.墓場には農薬が撒かれている箇所もあったことから,本域の個体はすでに失われた可能性が高い.
 今後,20年程前に仁井田の園芸団地で確認例があることから,改めて調査をしたいと考えている.(文:前田綾子)