menu

The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2015年5月10日(日)に第496回月例会(高知市土佐山新屋敷・桑尾)が行われました.

 前日の雨が嘘のような好天となった日曜日の8:30,集合場所の駐車場には17名が集合,5台の車に別れて,土佐山運動広場に向けて出発した.
 9:20 運動広場ソフトボール場の駐車場に到着,途中で合流したメンバーを加えると総勢21名の定例会である.今回のテーマは,ゴショイチゴの個体数確認,見たこともないメンバーも多かったので,道沿いで確認している個体を使ってレクチャーを実施.花時であれば大きめの白い花が目立つのではあるが,開花は4月中頃なのですでに終わっている.特徴のある葉と茎を目印に観察(探索)をスタートした.
 このあたりは蛇紋岩の分布もあることから,トサミズキが目立つ.花時には黄色い花がさぞ見事であろう.数は少なかったがカザグルマの花も確認できたことは幸運であった.歩き始めて最初に目に付いたのは,シライトソウ.見頃の白い花序を伸ばした株が法面に点在している.日当たりのよい路肩にはナワシロイチゴの花盛り.ピンクの花弁がきれいだった.ノイバラの白い花も印象的である.民家から流れ出る水路には,植栽(?)であろうか,サトイモ科のショウブがあり花も残っていた.かつては端午の節句で使っていた名残かもしれないと思ったが,家人には出会わなかったので,真偽のほどはわからない.
ゴショイチゴの葉
ゴショイチゴの葉
 代掻きが済んで田植えを待つ水田には,たくさんのオタマジャクシ泳いでおり,土手で咲いているノアザミと草木の芽生えがのどかな山里の風景を演出していた.開花はまだ先のことになるが,タキユリが道に向かって垂れ下がるように伸びた群落もあり,地元の人たちによって守られていると感じられる.
肝心のゴショイチゴは,運動広場から2時間をかけ片道で3km程度を歩いた結果,最初に観察した株を入れて,3か所,計10株を確認することが出来た.
 11:30,少し早いが昼食とした.
 昼食後,桑尾方面へ移動,石灰岩地の植物を見ることとした.広瀬橋近くの県道33号線の路側帯に車を止め,周辺を散策.川縁にそそり立つ壁面にはクロガネシダも見えてはいるが,近づくことは困難であった.交通量が意外に多い県道沿いの法面にはシロバナハンショウズルが多いのだが,花の時期を過ぎておりあまり目立たない.落石防止ネットの隙間から,シコクハタザオの果実を実らせた株がたくさん確認できた.この辺りにはヤハズマンネングサが観察出来ることから,歩きながら探すと花は終わりかけだが見つけることが出来た.開花中の植物はあまり多くなかったが,擁壁のわずかな隙間に根を下ろしたシランの一株が印象的だった.
 本日は思いの外天気が良く,少々バテ気味.少し早かったが,最後に遠方から参加となった会員と新入会員を紹介し,本日の定例会を14:00に終了した.(文・写真 福原宏)
日当たりのよい林縁で生育するゴショイチゴ
日当たりのよい林縁で生育するゴショイチゴ
シライトソウ
シライトソウ
ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴ
ノアザミ
ノアザミ
ヤハズマンネングサ
ヤハズマンネングサ
シラン
シラン