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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2015年3月8日(日)に第494回月例会(須崎市桑田山幡蛇森)が行われました.

 前日は雨,翌日はまた雨の予報であったが,その中日の例会は晴れ女のパワー復活?で晴天に恵まれた.JR斗賀野駅8時30分集合,斗賀野トンネル入口の公園で車を調整して幡蛇森へ向かう.桑田山は「雪割桜の里」で知られ,部落では売店のテントが張られており,忙しそうにおでんや餅,文旦などを売る準備をしていた.ツバキカンザクラはまさに満開状態.ポカポカ陽気の日曜日とあって,かなりの人出が予想されるため,とにかく早く上がることにした.道は途中からカーブ以外で未舗装となり,部落から4キロほど進むと石灰岩の露頭が現れた.岩にはイヌトウキやヒメウラジロが多く,ノジギクやシマカンギクなど,また,ナガバノタチツボスミレの花が観られた.車でさらに進み,山頂まで1.5キロ位のところの広い道端に車を置いて観察を再開する.林床は石灰岩がゴロゴロしていて,コショウノキが芳香の花を咲かせていた.また,岩上にはヤハズマンネングサも観られた.佐々木さん達がかつてここで確認していたモロコシソウを探したが,残念ながらこの日は見つけることができなかった.車道を歩きながら観察していくと,珍しいホウライカズラにオレンジの実が付いていて,皆ワイワイと大喜びで盛り上がっていた.陽当りの良い道の法面にはフジツツジが多いものの,まだ蕾の状態で花は観られなかった.途中,後方から四万十川ウルトラマラソンのTシャツを着て走ってきた男性に出会って,同じウルトラランナーとして嬉しくなり,つい立ち話をしてしまった.この日はハイカーが多く,山頂下の登山道では十人前後の学生?のグループとすれ違い,頂上でも大勢の人で賑わっていた.暖かい春の陽を浴びて楽しそうに弁当を広げている.私も含め参加者それぞれ顔見知りの知人と再会していたようだ.最近の登山ブームを実感.幡蛇森山頂には高い展望台が設けられていて,遠くの山並みが展望できる.そのすぐ下ではいち早く咲いたハルリンドウが人気の的で皆カメラに収めていた.遠くに正午のサイレンを聞き,昼食を摂る.
 12時半から午後の観察を始める.早速誰かが,樹幹に着生しているカヤランを見つけ撮影していた.全く!その目敏さには脱帽である.尾根道沿いでウグイスカグラの類を探したが,まだ芽吹いておらず,あれやこれやと言いながらも結局は確認できなかった.再度,花の頃に来て見つけたいと思う.ここでまた沢山の実をつけたホウライカズラを見つける.実の色はまだ薄いグリーンがかった黄色のものが多かった.13時10分下山を開始,復路は途中登山道を下って車に乗る.少し下ったところでホタルカズラを観察後,桑田山のサクラを観察する.人出は多いものの,心配された渋滞はそれほどでもなく,14時30分過ぎに無事斗賀野の公園に着く.その後,虚空蔵山方面に向かい,昨年の月例会で確認済みのザイフリボクやスミレの状況などを見て解散となった.(文:細川)
満開の雪割桜(ツバキカンザクラ)
満開の雪割桜(ツバキカンザクラ)
イヌトウキ
イヌトウキ
ヒメウラジロ
ヒメウラジロ
コショウノキ
コショウノキ
ジャノヒゲの青い果実
ジャノヒゲの青い果実
果実をつけたホウライカズラ
果実をつけたホウライカズラ
ヤマアイ
ヤマアイ
葉の細長いクリハラン
葉の細長いクリハラン