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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2014年9月21日(日)に第488回月例会(土佐町東門山)が行われました.

 8時に土佐和紙工芸村くらうどに集合.6台の車に分乗して出発.
 9時前にいの町本川大橋ダムのヨンデンエネルギープラザ着.9時20分に脇の山林道入り口に到着.アサマリンドウに花が着いているが日差しがないのでまだ開いていない.アケボノソウ,シロヨメナは満開で,ジンジソウは咲き始め.そのまま未舗装の林道を約10分ほど進み,ミヤマノダケがまとまって咲いている所で観察.ミヤマノダケにはスズメバチがよく訪れていた.ホタルブクロ,ハナタデ,ツルリンドウ,オトコエシに花が咲いていた.
 さらに20分ほど走って,オオマルバノテンニンソウが群生している場所に停車.アキチョウジやアキノキリンソウ,ヤマクルマバナ,イヌコウジュが咲いていた.
 10時20分に林道のゲート着.そこから歩き出す.稲垣氏が以前来た時には林道は荒れ放題で樹木なども生えており,ゲートも施錠していなかったというが,今日見たところ林道はよく整備され,国有林での施業が行われている様子であった.
 目的地まではかなりの距離があるということで,時間的に行けるところまで行って引き返すつもりで林道を観察して歩く.サワグルミの実成りがよく,鈴なりになった大木が目立つ.ケヤマハンノキやカツラ,ヤマネコヤナギやヤマヤナギ,コシアブラ,ノリウツギ,ホオノキ,トチノキ,ウリハダカエデ,ミズメ,シロモジ,シラキ,アカシデなどが目立ち,オノエヤナギ,オオミヤマガマズミ,オオバアサガラ,ナツツバキ,ホンシャクナゲなども見られた.ホンシャクナゲの斑入りも見られ,これはかなり珍しいそうだ.ヤマブドウも多く,すでに紅葉が始まっていた.ウスゲタマブキとその変種で葉の縁が大きく3~5裂したミヤマコウモリソウ(モミジタマブキ)に花が見られ,両種が混生しているところもあった.岩場にセンダイソウも見られ,花茎が立ち上がりかけ,咲きはじめであった.オオモミジガサは終わりかけ,シラネセンキュウは花であった.
 12時に林道脇で昼食.昼食後エゾヒカゲノカズラとヒカゲノカズラを観察し,タカネハンショウヅルにも花が見られた.サンカクヅル(ギョウジャノミズ)に見事なブドウがなっており,引き寄せて味見をする.林道を約4kmほど歩いたところで,前方に西門山の尾根筋の特徴のある岩場が見えてきた.
 東門山と西門山との峠にあたる尾根道に出るための谷には13時30分ころ到着.急傾斜なガレ場を尾根に向けて直登する.落石しないように慎重に足場を確認しながら登る.左右に立ちはだかる絶壁は威圧感があり,たぶん面白い植物が見られるだろうなと思いながらも,近づく勇気がない.谷筋にはケヤキやサワグルミ,ミズナラ,チドリノキ,ニワトコなどが林を成し,林床にはハガクレツリフネやムカゴイラクサ,レイジンソウ,岩壁にはイワタバコ,ケイビランなどが見られる.30分弱登ったあたりの絶壁付近が,本日の目的地.かつてはモミジハグマが谷沿いに結構見られたそうだが,本日は岩棚に数株の塊が見られたに過ぎない.一見するとキレンゲショウマの葉とよく似ている.ここではキレンゲショウマも数株見られ,センダイソウはきれいに花が咲いていた.ミヤマガンピ,ミヤマカラマツ,コゴメウツギ,フクオウソウ,ソバナ,ギンバイソウなどが見られ,岩壁のギボウシはシコクギボウシということであった.
 ここを降りる方がなお怖く,それこそ尻をつきながらづり下りる.やっと降りついたのは14時30分であった.小休止のあと,もと来た林道を戻る.帰りもしばし観察しながら歩くが,林道の上り下りが結構あって体力と脚力の差を実感する.
 車を置いたゲートには16時頃に帰着.脚はパンパンであった.16時30分にエネルギープラザで解散.約12kmの林道歩きお疲れ様でした.(文・写真:鴻上泰)
キレンゲショウマ
キレンゲショウマ
サンカクヅル
サンカクヅル
ジンジソウ
ジンジソウ
センダイソウ
センダイソウ
テバコモミジガサ
テバコモミジガサ
モミジタマブキ
モミジタマブキ