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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2014年2月9日(日)に第481回月例会が行われました.

テーダマツの球果
テーダマツの球果
午前9時30分までに,土佐黒潮鉄道後免奈半利線「香我美駅」に20名の者が集まった。出発した後,更に2名の参加があったので総勢22名での観察会となった.香我美駅から月見山第二駐車場に移動し,そこから観察会は始まった.まず第三駐車場のあるグラウンドの方へ歩いた.タイキンギクやウスベニニガナの花が咲き残っていたし,タチツボスミレは咲き始めていた。シダではオオイタチシダなどがよく目立った.紅梅・白梅も三分咲きほどながらほのかな香りを漂わせていた.グラウンド周辺ではハマナデシコ,タヌキマメ,キンゴジカなども見かけた.花ではタネツケバナ,ホトケノザ,オオイヌノフグリ,オランダミミナグサなどが咲いていた.グラウンドでは夜須中学校の野球部が練習をしていて,元気な挨拶の歓迎を受けた.
グラウンドから引き返し,元来た道を少し歩き,いよいよ山の上の方に上がっていった.天気もよく山の南面はポカポカと暖かく,眼下に広がる海は穏やかで正に春の海の風情であった.それでも山の稜線歩きでは,寒い風が当たり出した.木の間越しに雪をかむった石鎚山もよく見えた.そして林の中の道をゆっくりと更に上へ上へと歩いていった.登山道脇にフデリンドウなども見かけた,第二展望台まで上がって,滑り山の斜面に腰を下ろし,昼食をとった.手結の港やヤシパークを眺めながらのお弁当はおいしかった.昼食後は,月見山の稜線を更に北へ北へと進んだ.途中でタマミズキやシロバイ,クロバイ,アオハダなどを観察した.1時間ほど歩いて,陸上自衛隊第50普通科連隊駐屯地の上の山の稜線に出た.自衛隊の基地の周囲は稜線沿いにも厳重に金網のフェンスが張られているが,そのフェンスにまでたどり着いた.そこから,フェンス沿いに下っていった.急勾配の斜面を下ったが,フェンス越しに自衛隊の基地の内部が一望のもとによく見渡せた.途中ミミズバイが黒々とした果実を枝もたわわにつけている木が何本もあり,歓声があがった.(土佐弁で言えば果実がそれこそ『もぶれついていた』。自分の気持ちをピッタリ表現するには方言でなければできない時があり,それが方言の良さであり,方言の持つ力だろうと思う.方言丸出しで会話してこそ虚心坦懐になれる,とはときどき実感することである.これからはもっともっと方言を使うべきではないだろうか.標準語で話せば何となくよそよそしくなり自分の気持ちが実際の思いから微妙にずれてしまうような気分になるときもあるし・・・・・話が脱線してすみません.)
ミミズバイ
ミミズバイ
 フェンス沿いの林にはマンリョウやアリドウシの赤い実もあった.更に下って,フェンスを離れ,林の中に入っていくと大きなテーダマツが数本あって,林床にはたくさんの球果(通称マツボックリ)が落ちていた.テーダマツのマツボックリはアカマツのそれよりずっと長く大きくて,球果の果鱗の背の部分に三角錐状のとげがある独特の形をしている.
ここの林床にはコクランなども散生していた.やがて林を抜けきり県道に出た.そこから,運転手数名があらかじめ置いてあった福原さんの車で迎えの車を持ってくるために月見山の駐車場に向かった.やがて全員が駐車場にそろい,午後三時前には散会した.(文・写真:宇田英一)