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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2013年11月10日(日)第478回月例会(安芸市大山岬,奈半利町方面)が開催されました.

 雨の中,午前8時30分に安芸球場前駅前駐車場に集合.荒天が心配されてか参加者は9名と少なかったが,長野県松本市の藤田氏が参加.車3台に分乗して,途中大山岬に立ち寄った.シオギク(写真下左),タイキンギク(写真下右)等々信州の藤田氏にとっては全く初めての花.信州ではすでに花の観察はできない時期なのに,まだまだ花のある高知に「すごい」の連発.なんとダンチクや自生のタマシダに感激.アゼトウナ,ハマアザミ,ハマナデシコなどに花,ナワシログミがよい香りを漂わせている.国道沿いの店の前の岩にキキョウランの紫色の果実が残っていた.その下になんとハマグルマ.植栽するとは思えないが,庭の植え込みの中なので自生とも判断できない.
 大山岬で40分ほど観察して,奈半利町の須川林道へ入った.雨は小康状態,10時40分頃デッカ進入路へ.この辺りにはヒロハノミミズバイが多く,本日の一つの目的は,この花を見ること.ヒロハノミミズバイは別名オニクロキともいい,四国では高知県,徳島県,九州の宮崎県と鹿児島県,種子島,屋久島,トカラ列島に分布するまれなハイノキ科の常緑中高木.県内での分布は東部に局限され,特に野根山周辺(奈半利町・北川村・室戸市・東洋町)に偏在する.須川林道~デッカ跡周辺には特に多く,須川林道支線14林道の奥の国有林・民有林内の植林地内林床に1~2mの稚樹が一面に生えているのを見たことがある.個体数が多い割に花にあまり出会えなかったのだが,今年はとても花つきが良いようで,デッカまでの車道ぞいで結構目につく.中には熟した果実と花とが同時に見られる株もあった.デッカ跡には11時すぎに到着.一面ガスに覆われて周りが余り見えない.昼食後,東側の林に分け入る.狭いながらアカガシのよい林で,ハイノキ,イヌガシなどの常緑樹とともに,意外と標高が高いせいか,コハウチワカエデ,オオモミジなどは紅葉し,コシアブラはほとんど落葉していた.林内の湿地はシカの遊び場となっているようで,イグサやコバノイシカグマ,ハリガネワラビなどを除いてほとんど食い尽くされている.湿地の斜面にヒメカンアオイらしい一群のカンアオイ属に花が咲いていた.付近にナンカイアオイの花もあり,ガク筒の中を開いて比較してみた.
 1時すぎにデッカを後にして須川林道を奥へ,野根山街道を横切り北川村の野川林道を下った.菖蒲集落を経て柏木の慎太郎館で小休止.日吉神社入り口へは2時15分頃到着.尾根道を15分ほど歩くと社殿に出るが,参道沿いや社叢はウバメガシ,ウラジロガシ,スダジイ,コバンモチなどの鬱蒼とした森で,特にウバメガシの大木やツゲモチの大木が多い珍しい林である.30分ほど散策して引き返し,3時40分頃球場前に到着.さらに穴内小学校奥の西地でシロダモの木を覆ったオオバヤドリギの花を観察して解散した.(文:鴻上泰,写真:山岡重隆)
カマツカ
カマツカ
ハダカホオズキ
ハダカホオズキ
ヒロハノミミズバイ
ヒロハノミミズバイ
ヒメユズリハ
ヒメユズリハ
マツバラン
マツバラン
ヒメカンアオイ
ヒメカンアオイ
ミヤマウズラ
ミヤマウズラ
マンネンスギ
マンネンスギ
ウチワゴケ
ウチワゴケ
ツチトリモチ
ツチトリモチ
オオバヤドリギ
オオバヤドリギ
ウメモドキ
ウメモドキ
キキョウラン
キキョウラン
センブリ
センブリ
マムシグサ
マムシグサ