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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2011年10月29日(土)~30日(日) 第21回四国植物研究会が開催されました.

 10月29・30日に21回四国植物研究会が開催されました.幹事県は香川県で小豆島での開催です.いままで機会がなく参加していませんでしたが憧れの小豆島ということで参加しました.行く途中いきなりニュースレター原稿を書くのは「猪野さん,あなた」と山岡会長に言われ「ははあ~」と返事した次第です.高校の担任にはいつまでたっても頭が上がりません.
 29日・青空が広がる高速道を5人が乗った車は快適に走り,高松港へ着いたのが9時半過ぎでした.予定していた時間のフェリーに乗船.快適な船旅を1時間ほど楽しみ着いたのは11時前です.ホテルでチェックインするのは早すぎます.寒霞渓へは明日行くので「銚子渓」へ向かうことにします.難なく行き着きました.天気はとってもよくて,暑いと言ってよいほどの気温となっています.その中をお猿がいる場所へ向かうと「いるいる!200匹~」.発情期で特に赤が目立つのでちょっと腰が引けますが近くでしばし観察.中々賑やかでした.300匹の群れの方は昼食が済んだところのようで午睡の時間なのでしょううつらうつらしている様は幸せそのものです.
 特に母猿がお乳を飲ませし,子猿が乳首を離し寝ている様子が記憶に残りました.
その後,展望所へ向かい四方を見渡しました.明日は下り坂の予報ですのでこんな景色は見られない筈.島々と湾,穏やかな海がゆったりと広がっています.ここで目立った植物はウバメガシ・ウメモドキでした.気づくと受付時間が迫っていましたので大急ぎで昼食を取り,ホテルに向かいました.
 定刻に会は開き,各県の研究発表がありました.参加者28名.興味深い話をきき,そういう事かとストンと心におちる話もありました.
四県の発表者,演題を記載しておきます
徳島 木下 覚:阿波学会総合学術調査報告について(旧一宇村の例)
高知 鴻上 泰:四万十町奈路の湿地植生と植物相
愛媛 川俣明徳:愛媛県産の希少地衣類について
愛媛 伊藤隆之,近藤浩幸:愛媛県内の絶滅危惧種ヒロハコンロンカの分布拡大について
香川 久米 修:星ケ城山から寒霞渓周辺の植物
 その後は夕食交流会となり歓談・懇談となりました.
 30日・朝,願いもむなしく小雨が降る中目的地の寒霞渓に向かい出発.配車後,星ヶ城山東峰・西峰そして三笠山を歩き駐車場所へ戻るコースを観察します.固有種が多いのでわくわくして歩き始めました.昨日レクチャーを受けていたとおりの場所にそれぞれありました.花期でないのが残念なものばかりです.午前の部で一番うれしかったものは「シロミノツルシキミ」(写真上,撮影:猪野)でした.白い実がガスの中浮き上がって見えたのはずっと記憶に残ることになりそうです.「タンナトリカブト」(写真左,撮影:佐々木)は刈り払い後に開花したのでまだまだ綺麗な状態でした.シラキの紅葉を見ながら昼食場所の寒霞渓山頂駅のレストランへ着いたのは予定より40分も過ぎてからでした.雨が降ろうが槍が降ろうが皆,観察をするということです.

 午後は一番楽しみにしていた「ミセバヤ」(写真中,撮影:佐々木)を見ることが出来るはず.ところが今回の総リーダーの香川の久米さんが「このガスでは見られません」とつれなく言う.まあ仕方がないと歩き始めました.足元が悪いので予定のコースを短縮しての観察です.四望頂往復コースを足元にかなり気を遣いながら進みます.ツメレンゲ(写真右,撮影:猪野)は丁度の時期に来たようで綺麗に開花していました.どこにでもあると聞いていた通りの株の多さでした.今年は高知でもよくみたのですがここ小豆島でも沢山みられました.リュウノウギク・カセンソウなど開花していて目を楽しませてくれます.そして岩場に来ると「ミセバヤがあるよ~」との声.岩肌にピンクが見えます.時折薄れるガスの間になんとか撮影しました.そして割合近くにも盗掘を逃れた株が少しだけですがありしっかり楽しめました.「見えないよ」と言ったのはこの感動を高める幹事県の戦略だったようです.最後にミセバヤを見て「よかったね!」と言いながら県道27号線を少し歩き駐車場所に到着.3時15分散会しました.
 幹事県の香川の皆様にはお土産・お菓子の差入れもして頂きました.本当にお世話になりましたので高知開催時にはこの暖かいもてなしに「応えねば」と感謝の気持ちを語りながら帰路に着きました.土曜日の青空は何処へ行ったのという日曜日でしたが種々の植物が見られさすが「小豆島」と思ったことです.
 お土産は「オリーブの新漬け」佃煮類を買い求めました.両種ともに小豆島を代表するもので美味しいものでした.食べ物につられてという訳ではなく固有種も多い小豆島は魅力です.来年天気の良い日に再訪を誓っています.   【猪野 律】

タイトル:ガスの中,出発前 撮影場所:星ケ城園地登山口 撮影:佐々木康子
タイトル:ガスの中,出発前 撮影場所:星ケ城園地登山口 撮影:佐々木康子
タイトル:出発前の説明 撮影場所:星ケ城園地登山口 撮影:佐々木康子
タイトル:出発前の説明 撮影場所:星ケ城園地登山口 撮影:佐々木康子
タイトル:寒霞渓とツメレンゲ 撮影場所:小豆島寒霞渓登山道 撮影:猪野律
タイトル:寒霞渓とツメレンゲ 撮影場所:小豆島寒霞渓登山道 撮影:猪野律
植物名:ツメレンゲ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:ツメレンゲ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:ツルアリドオシ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:ツルアリドオシ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:マムシグサの実 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:マムシグサの実 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:ミツバベンケイソウ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:ミツバベンケイソウ 撮影場所:小豆島星ケ城 撮影:佐々木康子
植物名:リュウノウギク 撮影場所:小豆島寒霞渓登山道 撮影:猪野律
植物名:リュウノウギク 撮影場所:小豆島寒霞渓登山道 撮影:猪野律
ソヨゴ          撮影:猪野 律
ソヨゴ          撮影:猪野 律
アカハナワラビ       撮影:山岡和興
アカハナワラビ       撮影:山岡和興
サルの餌場        撮影:猪野 律
サルの餌場        撮影:猪野 律
イワデンダ        撮影:山岡和興
イワデンダ        撮影:山岡和興
シラキ          撮影:猪野 律
シラキ          撮影:猪野 律
ノグルミ         撮影:猪野 律
ノグルミ         撮影:猪野 律
ナニワズ         撮影:猪野 律
ナニワズ         撮影:猪野 律
ネジキ          撮影:猪野 律
ネジキ          撮影:猪野 律