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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2011年5月8日(日)第448回月例会(高岡郡梼原町九十九曲峠付近)が開催されました新規 ~

5月8日 晴れ
8時30分(須崎かわうその里・集合時間)に私の携帯電話が鳴った.「どこを来ゆうかねぇ」と山岡会長の声「え?私は太郎川公園で待ちゆうと言うちょったでしょ!」「あ~~」(プツン)忘れられていたようです.私は前日,中平氏と共に下見を兼ねて梼原町でのレッドデータの調査とスミレ類の撮影のため,太郎川公園近くの民宿に宿泊していました.実は前日にも・・・.夕方6時ごろまで霧や小雨の中を歩き回り,ヨレヨレになってこの民宿に行くと「あれ?今日は何日かねえ?」(7日と答えると,カレンダーを見て)「おばちゃん,忘れちょった!」それでも何とか食事も出していただけました.1人で切り盛りしていた切り絵作家で80歳のご主人に梼原町の昔の暮らしなどいろいろな話をお聞きしながら,楽しいお酒も飲めました.前置きが少々しつこくなりました.
 さて,9時40分に太郎川公園で28人が集合,現地講師の中平氏の車を先頭に出発.今回は愛媛県側から大規模林道に入り,九十九曲峠にある駐車場へ.10時20分から観察を開始する.五月の清々しい陽を受けたエゴノキ,カマツカ,ウラジロノキなどの新緑が美しく,湿地周辺は散策道路がきれいに整備されていました.湿地も昨秋に草刈りがされたとのことで,全体の見晴が良くなっていました.早速,フモトスミレ,アケボノスミレ,ニオイタチツボスミレやミツバツチグリの花、まだ傘を閉じた状態のヤブレガサ,ハンカイソウ,おいしそうなワラビなど春の息吹に皆さん一様にテンションが上がっているようでした.ポイント,ポイントで中平氏の説明がありとても良く解りました.昼近くになると気温が上がって汗ばむ陽気になり,木陰で少し早い昼食をとる.湿地の木道付近で,目的の一つヒメアギスミレを観察しましたが,この時期はまだこの種の特徴である葉の基部からの発根はまだ見られませんでした.(昨秋には確認している)スミレを中心に草本の花は数多く観察できましたが、シダの仲間はまだ早いようです.それでも,山岡会長の説明で特徴あるサトメシダの芽立ちなどが観察できたのは嬉しかったです.
 14時前から林道を車で移動しながら数か所に立ち寄り,公園の園地の中ではニョイスミレが花盛りで見事な群生やオトメスミレなどが観察できました.林道は愛媛県と高知県の県境を何度も交差していて,すぐそばに居ながら「そっちは愛媛県の○○スミレですよ!」「こっちが高知の○○」とにぎやかな声が飛び交う.最後にナガバノスミレサイシン,エイザンスミレ,ユリワサビの群生を観察して15時頃現地解散となりました.今回,スミレは15種類ほど観察できました.それにしても,地元とはいえ,中平氏はよくフィールドを観察して把握しているものと,感心させられました.また,植物の観察リストは稲垣さん(記録は荻沼さん)にしていただきました.ありがとうございました.(細川公子)
アケボノスミレ
アケボノスミレ
ニョイスミレ
ニョイスミレ
ヒメアギスミレ
ヒメアギスミレ
フモトスミレ
フモトスミレ
カサスゲ
カサスゲ
スギラン
スギラン
トクサ
トクサ
ヤマドリゼンマイ
ヤマドリゼンマイ