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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2023年12月24日(日)に第599回月例会(高知市春野町西畑周辺)が15名の参加で行われました。

No.1ミヤコグサ
No.1ミヤコグサ
 師走24日,雲一つない,穏やかな冬日和,眼下に仁淀川の煌めき,左手には朝陽に輝く土佐湾を眺め,仁淀河口大橋を渡る。8時45分,集合地,新居緑地公園駐車場に入る。さすがに誰もいない。眼前には有名な「南風 まぜ」がヒッソリと佇む。9時を過ぎると集合時間に向け,参加予定者が五月雨式に到着。9時45分,15名の暇人が参集。細川さんより本日の予定の説明とともに,事前の調査で三里地域は植物相が貧弱のようなので12時半に散会したい旨提案があった。
No.2タコノアシ
No.2タコノアシ
No.3岐(ふなと)神社
No.3岐(ふなと)神社
No.4ヒメアリドオシ
No.4ヒメアリドオシ
No.5ホソミナズナ?
No.5ホソミナズナ?
No.6西畑小田の河川敷
No.6西畑小田の河川敷
 10時,仁淀川左岸の河川敷に12台の車が勢ぞろいした。河川敷の植物を観察しながらお宮に向かう。河川敷には見事に身ぐるみを剝がされたバクチノキが冬空に震え,この博打打ち,子沢山のようで林床には多くの幼木が生育していた。お宮へ向かう道には,三里人形発祥の地の碑があった。この人形はデコ(高知の方言で人形のこと)芝居に使う。こちらのデコ芝居は鳴門のそれと違って,地元の人以外知らないのではないか。道の片側は畑地で,ハウスではキュウリ,露地ではニラ,エンドウが栽培され,サトウキビの収穫残渣がみられた。水田は少なく,その水田もよく管理され,水田雑草はほとんど見られない。反対側は水路で,タコノアシ,クレソン,アブラナ類,藻類が生え,ハヤの幼魚が泳ぎ,ニナガイ,シジミが見受けられた。
No.7西畑菅地区
No.7西畑菅地区
No.8タイキンギク
No.8タイキンギク
No.9西畑菅の湿地
No.9西畑菅の湿地
No.10スズメウリの実
No.10スズメウリの実

 お宮は「岐(ふなと)神社」で,この地が低湿地であったことから船戸,祭神は岐神,勧請年月縁起沿革等未詳とのこと(竹内荘市「鎮守の森は今」)。ここにきてようやくシダらしいシダに出会う。早速,宇賀さんよりフモトシダ,クジャクフモトシダ,イシカグマの関係が分かり易く説明された。境内では万両,千両,一両とお金アリドウシと正月を前にめでたい植物に迎えられた。

時間もあり,もう一か所観察することに。そこは低湿地で,白い真珠のような果実を沢山つけたスズメウリが印象的であった。

 12時半過ぎ,ほぼ予定どおり散会。

 体力,気力の衰えから今回の月例会を最後と考えていたが,様々な植物たちとの出会いは心楽しく,もう少し頑張ってみようかと,そんな観察会であった。来る年も恙無く月例会が続くことを折りつつ。〔松本満夫〕